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1.ミツバチの社会

ミツバチは女系社会

ミツバチの社会

ミツバチの社会は繁殖期、一匹の女王蜂と数万の働き蜂、数百~千匹ほどオス蜂の3種類で構成されています。
オス蜂は交尾に出かける以外は巣の中でブラブラしています。
女王蜂は大きさが働き蜂の倍ほどあるので、巣箱の中でも見分けるのは容易です。
オス蜂は働き蜂よりも大きく、繁殖期、巣箱には1割ほどのオス蜂がいます。
働き蜂は全員がメスです。実は女王蜂も働き蜂も、もともとはまったく同じメスのミツバチなのです。

先代の女王蜂が、女王蜂候補を育てる為の専用の個室、「王台」に生んだのが女王蜂、
普通の巣房(6角形の部屋)に生んだのが働き蜂となります。
王台は巣房の育児室よりも広く、ひとつの巣箱に数個ほど作られ、女王蜂候補が何匹か育てられますが、
女王蜂になるのは1匹だけです(後述)

ローヤルゼリーが運命をきめる

ローヤルゼリー

でも、これだけでは女王蜂と働き蜂に分かれません。ローヤルゼリーが大きな役割をするのです。
ローヤルゼリーは別項で詳しく説明しますが、働き蜂が花粉から作り出したいわば分泌液で、女王蜂の主食でもあります。
王台に生まれたメス蜂も巣房に生まれたメス蜂も最初は働き蜂(育児担当の育児蜂)からローヤルゼリーをもらいながら成長します。
しかし3日ほど経つと、働き蜂にはローヤルゼリーの代わりに花粉が多く与えられるようになります。
女王蜂候補はさなぎになるまでふんだんにローヤルゼリーだけで育てられます。
この与えられる餌の違いが女王蜂になるか働き蜂になるかを決定します。
ローヤルゼリーに含まれる「幼若ホルモン」と育児室の大きさが彼女たちの運命を左右するのです。

メス蜂もオス蜂も3日ほどで卵から幼虫に孵化します。幼虫の期間は働き蜂が6日、女王蜂は5日ほどで蛹になります。
やはり栄養価の高いローヤルゼリーをたくさん与えられた女王蜂候補のほうが早く蛹になります。
蛹から成虫になるまでの期間も働き蜂が12日、女王蜂は7日前後と栄養の違いが表れています。

ぐうたらなオス蜂

オス蜂

オス蜂の役目はただ交尾のためだけに存在すると言っても過言ではありません。それほど巣の中では何もしません。
オス蜂は他のメス蜂よりも一廻りほど大きく、巣房のサイズも大きめになっています。
卵、幼虫の期間は働き蜂と大差ありませんが、蛹の期間は女王蜂よりも長い14日ほどになります。

およそ1ヶ月~1ヵ月半ほどの生涯のうち、することと言えば交尾場所に行って、女王蜂を追いかけるくらいで、
巣箱の中では働き蜂から餌をもらうか、蜜房へ自分でおもむき蜜を吸うほかはうろうろと走り回っているか、
毛づくろいをしてるかと言った具合です。

そんなオス蜂ですから、働き蜂のメスからは疎まれて、羽をかじられたり、追い掛け回されたりとかなりの邪魔者扱いをされています。
その上、結婚の時期を過ぎたオス蜂は、巣箱の中にいる必要はなくなるので、餌をもらえず、働き蜂によって追い出されてしまいます。
また交尾に成功したオス蜂は自分の生殖器官が体から外れてしまい、やはり死んでしまいます。

ハネムーン旅行

4月~6月、繁殖時期に入ると彼女、彼たちは結婚相手を探しに巣箱から飛び出します。
女王蜂はいつも働き蜂から与えられているローヤルゼリーから蜂蜜に餌を替えて、身軽になって飛び立っていきます。
またオス蜂たちも、蜂蜜を十分にもらい出かけていきます。

オス蜂と女王蜂の集合場所は決まっています。
地上30メートル前後、直径100メートル前後の空間が彼、彼女たちの結婚場所になるのですが、
違う巣箱の蜂同士が同じ集合場所に集い、それは毎年ほとんど変わることはありません。
また、正確な体内時計のおかげで密会の時間も正確に決められているようです。
ただ、集合場所の条件やどうやって来年の子孫に伝播されていくのかはまだ解明されていません。

オス蜂は女王蜂の自ら持つ性ホルモンの一種に誘われ、彼女の後ろを大挙して彼女を追い掛け回します。
運良く女王蜂に馬乗りになったオス蜂は交尾器を女王蜂の刺針室へ差し込み交尾をします。
交尾器の一部を女王蜂の体に残し、オス蜂は地面に落ちて死んでしまいます。
女王蜂は数匹以上のオス蜂と交尾を繰り返します。
彼女の受精のうが満たんになるまで続けられますが、これは近親交配の可能性を低めるためと、
遺伝多様性を確保するためだと考えられています。

女王蜂は働き蜂が用意した巣房へ一日に1000以上の卵を産み続けます。
受精のうに蓄えられた精子を使い、働き蜂からローヤルゼリーをもらいながら、4年と言う生涯をひたすら卵を生み続けます。

役割分担の社会

花粉を餌に育てられたのが働き蜂になることは前述しました。
彼女たちの生涯は季節によって大幅に異なります。
繁殖期には1ヶ月程度、越冬の時期は秋~春先にかけての4~5ヶ月と生まれた時期によって異なります。
羽化した働き蜂はまず巣房の掃除係の仕事に就きます。その後は幼虫の世話係になって餌を与えたり、体を舐めてあげたりします。
女王蜂が近くにいれば彼女の世話をしたりします。
1週間ほどで、次のステップ、外から帰った採餌蜂からの蜜や花粉を集め、花粉団子を作ったり、巣房に蓄えていきます。
また巣板を作る作業にも就きます。2週間ほどで今度は巣箱の門番や採餌蜂として外の世界へ飛び出していきます。
まるで彼女たちの経験値がアップするたびに複雑な仕事をこなす、人間の会社組織にも似た統一された社会構造があります。
採餌蜂になった働き蜂は中の仕事はほとんどしなくなりますが、
例えば外敵から襲われ、「内勤」の蜂が少なくなったら、採餌蜂が幼虫の世話をしたり、
また逆に「外回り」の採餌蜂が足りなくなった場合なども臨機応変に対処します。

ほんとに働き者?

ほんとに働き者?

働き蜂といえば人間社会でも比喩されるくらい、働き者と考えられていますが、
実際は人間が考えるほどあくせくとしてる訳ではないようです。
他の時間はじっとしていたり、毛づくろいをしていたりと意外と休んでいることも多いのです。
年中無休で働いている彼女たちですが、実際に仕事をしてる時間はトータル8時間程度でしょうか?人間社会とさほど変わりません。
たくさんの働き蜂がいるおかげで、じっくりと仕事をこなしていると言ってもよいかもしれません。
目の前に仕事があればもくもくとこなしますが、なくなれば巣の中をうろうろして次の仕事を見つける。
若い蜂が生まれると、外に追いやられて違う仕事にありつくといった具合です。

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