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大場養蜂園ブログ

一期一会

ちょっと迷ったのですが、先日あった出来事、というか、思った事を書かせて頂こうと
思います。


先日、NT君(以下T君)という大学時代の友人から電話がかかってきました。
サークルの仲間であり、バイト仲間でもあった友人からでした。

大体、年に一度は電話をくれる男でして。
大体、首都圏にいる昔のサークル仲間で集合している時にかけてきてくれまして。
大体、新宿あたりで酔っ払うとかけてきてくれるらしくて。
大体、私が眠ろうかというタイミングでばかりかけてきてくれまして。
っていう、いろんな面で、大体イイ男でございまして。



先日は、珍しく酔っ払っていない状態で、自宅から電話をしてきてくれました。
シラフだったので、久しぶりに少しのんびりと話しまして。
私の喉の手術の事なども、心配して連絡をくれたようで、まぁなんだかんだで、
ヤサシイ良い男ですわ。
(と、いいつつ、他にも大事な用件があったわけですが)

そんなT君との電話でしたので、話はサークルだけでなく、昔のバイト仲間のお話に。

当時、私はT君と同じバイトをしていたのですが、他にも仲良くしていた仲間が
いました。
その仲間はT君と高校時代の吹奏楽部からの同級生で、大学時代は私も一緒に
呑みに行ったりしておりました。
彼、NH君(以下H君)は、私や、T君とは違い、物静かで非常に落ち着いて
いましてね(笑)。

お酒を呑みに行くと、いつもウイスキー。
静かな物言いで、「風邪にはタバコが一番いいよ」なんて変なこといいながら、
粛々とタバコをふかしつつ、グラスを傾ける。
で、大人しい人かとおもいきや、バンドをやってて、トバイアス(非常に評価の高いメーカーです)
の5弦ベースを弾き、「ドリームシアター」というものすごく難しく複雑な曲を
作っているバンドのコピーをしてました。
それも、驚嘆すべき事に譜面を買ってこないで、自分の耳だけでコピーしてました!!
はっきりいって当時の私は、いや、今でもそうですが、かなりビビりました。

で、そうかと思いきや、片方では大学のアメリカンフットボール同好会に所属。
小柄な体ながら、フィールドを疾駆しまくっていたという猛者。
なんていういか、物静かなのか、アクティブなのかよくわからん不思議な男です。
どちらかというと口数の少ない方だと思うのですが、ユーモアのセンスもかなり
光るものを持っているっていう、なんかとらえどころのない男です。

残念ながら、大学を卒業してからは一度も会えずにいまして。
お互い連絡を取ろうと思えば、同じ首都圏にいるT君を通して連絡はつくのですが、
なかなかどうして。
T君も1年に1回会えるかどうかという話で。

やっぱり、みんな社会人になって、家庭を持つと動きが悪くなるのかなぁと。


昔は、みんなでいろんな事やってました。
新宿でのバイトが終わった後、平日はみんなで都庁の食堂へ行っていろんな
話をして、夕方にそのまま食堂でご飯食べて帰るのが定番で。
バイトあがりに中央公園でアメフトのまねごとをやったり。
はたまた、ギターや、ベースを持ってきて、かきならしたり。
立川においしい餃子屋があるときいて、バイトの後にわざわざ食べに行ったりも
しましたね。


ま、そんなこんなで、当時は非常におもしろおかしく仲良くしておった仲間の一人。
クールなのですが、おもろい、やさしい良い男です。


T君と電話するたびに、
「いや~、Hは元気にしてるかね?」
「今度会うときよろしく伝えておいてな~」
なんて、言っておりまして。
今度、機会があったら一緒に呑みに行きたいと、ず~っと言っておりました。


そのHが亡くなったとTからの電話で聞かされました。


びっくりして、声がでませんでした。


Tは電話の向こうで声を殺して泣いていました。


私は、祖父、祖母そして父親もなくしました。
が、親しくしていた友人が他界するのは初めてです。

肉親の死とは、全く違った感覚です。


寂しくなったとか、悲しいだとか、それだけではない何だかよく分らない感じが
しています。

なんとも説明ができません。


Hの他界があまりにも早すぎた、若すぎたのがその原因なのかもしれません。

惜しい。

実に惜しいと思います。

あれだけの良い男がこの世からいなくなるとは。

残念でなりません。

いずれ近いうちに一緒に酒でも呑みに行けると思っていたのに。

いつか、元気な姿で会う事が出来ると思っていたのに。

もはや、会うどころか彼の声すら誰もきくことができない。


一期一会という言葉はよく耳にしますが、今さらながら、その重みを初めて
知ったように思いました。

H君、本当に、本当にお疲れ様でした。
君のご冥福を心よりお祈り致します。